TP-Link様より「Archer T3U Nano」というUSBドングル型Wi-Fi子機を提供していただいたので、回線速度や安定性、その他の性能面などしっかりレビューさせていただきました。
Wi-Fi子機ということなので、Wi-Fi機能が備わっていないPCでWi-Fi接続が可能になったり、PCとルーターの通信を効率化して安定した接続にしてくれるものとなっています。
ナノサイズモデルというかなりコンパクトな製品になっており、ノートパソコンなど持ち運びしやすいタイプのPCにも最適な製品です。
Archer T3U Nano製品情報
Archer T3U Nano AC1300 MU-MIMO対応 ナノUSB Wi-Fi子機
Amazon価格:2,600円
【TP-Link公式サイト / Twitter】
インターフェイス | USB2.0 |
ワイヤレス規格 | IEEE 802.11b/g/n 2.4 GHz IEEE 802.11a/n/ac 5 GHz |
ワイヤレスセキュリティ | WEP, WPA/WPA2/WPA3, WPA-PSK/ WPA2-PSK, WPA3-SAE |
システム要件 | Windows 11/10/8.1/8 |
寸法 | 19.85 × 15.7 × 7.39 mm |
パッケージ内容 | Archer T3U Nano本体 かんたん設定ガイド リソースCD |
より詳しい仕様については公式サイトの製品ページで確認できます。
特徴について
- ナノサイズで持ち運びの邪魔にならない
- 最大合計1300Mbps
5.4GHz:867Mbps
2.4GHz:400Mbps - デュアルバンド対応で環境に問わず利用できる
- MU-MIMO対応:複数端末との同時通信を効率化
高速なWi-Fi接続が可能なので、オンラインゲームや4K動画のストリーミングも快適に楽します。
MU-MIMO機能に対応しているので、対応しているルーターであれば1台ずつ通信するための待ち時間がなくなり、より効率的に通信が可能になるため回線速度が落ちにくいです。
ネット回線速度と安定性について
Wi-Fi機能が備わっていないPCを用意できなかったため、もともとWi-Fi機能が備わっているPCでの検証となっています。
ルーターから遠い場所で計測
上の間取りのようにルーターの位置とスマホアイコンがある位置で、最も回線が届きにくい環境で計測しています。
Archer T3U Nano | ルーターのみ | |
5GHz帯 | ||
2.4GHz帯 |
最も遠い場所で計測したところ、5.0GHz帯ではルーターのみの時よりArcher T3U Nanoの方が回線速度が平均的に高くなりました。
そこまで大きな差ではないかもしれませんが、平均的に10~20Mbpsほど違うので効果はあるように思えます。
逆に2.4GHz帯では、何度測ってみてもルーターのみの方が回線速度が速い結果となりました。
この距離ではルーターのみの場合とArcher T3U Nanoで接続した場合の差は少なく、通信の安定性は高くないです。
ルーターから近い場所
ルーターがある部屋で計測した結果になっています。
Archer T3U Nano | ルーターのみ | |
5GHz帯 | ||
2.4GHz帯 |
ルーターと距離が近い場合で計測すると、上の結果のように5.0GHz帯と2.4GHz帯どちらもArcher T3U Nanoで接続したほうがネット回線速度が良いという結果になりました。
何度同じ条件で計測しても30~40Mbpsほど高い結果になっていたので、ルーターからの通信がしっかり受信できる距離であれば回線速度の向上が見込めるようです。
ルーターがある部屋(2階)と最も離れた部屋との中間地点辺り(1階)でも計測してみましたが、そちらでも同じように160~200Mbpsほどの回線速度が出ており、Archer T3U Nanoで接続したほうが30~40Mbps程度回線が良く、途切れたりするような不安定なこともありませんでした。
結論、ネット回線速度はArcher T3U Nanoで接続することにより全体的に約1.4%ほどアップしたことになります。
設定について
今回私のPCがそもそもWi-Fi機能が備わっていることもあってか、Archer T3U NanoをPCへ接続してWi-Fiを指定するだけと簡単にできました。
Wi-Fi機能が備わっていないPCを使用されている方は、公式サイトからドライバーのダウンロードが必要です。
→公式サイト
左のように公式サイトへダウンロードページが用意されているので、使用しているPCに合わせてダウンロードを行います。
製品にはリソースCDが同梱されているので、公式サイトからのダウンロードではなくこちらのリソースCDを使用する形でもOKです。
おすすめポイントについて
Wi-Fi機能が備わっていないPCを使用されている方や、お使いのPCのネット回線に不満がある方にとってはとてもいい製品になるのではないでしょうか。
2,600円という価格も、性能面を見てみると安い価格設定だと思います。
ナノサイズモデルという超小型Wi-Fi子機なのですが、その見た目に反してかなり高いパフォーマンスが発揮できる製品です。
ポイント
- Wi-Fi5で接続しているPCは回線速度向上が見込める
- 持ち運びするようなノートPCではWi-Fi子機が邪魔にならず最適
- 本体が小さいため他のUSBの邪魔になりにくい
- MU-MIMO機能がついていないPCを使用している方におすすめ
- セキュリティ規格WPA3に対応しているのでフリーWi-Fiを使用する頻度が高い方にもおすすめ
Archer T3U Nanoは、とくに”ノートPCを使用する方にとって特におすすめ”となるWi-Fi子機だと思いました。
もちろん据え置きのデスクトップPCでも効果を発揮できると思いますが、製品が超小型という点で持ち運びの利点になるのは大きいと思います。
その小ささのわりにネット回線速度も高く、MU-MIMO機能が搭載されているのもうれしいです。
気になった点/注意点
気になった点と注意しておきたい点をまとめておきます!
- Wi-Fiの範囲を広げるような用途ではない
- Wi-Fi6搭載PCには必要ない
- USB3.0ではない
- WindowsPCのみ対応
- なくすと見つかりにくい
ネット回線の速度や安定性の向上は見込めるものの、メッシュWi-Fiや中継器のような回線の範囲を広げるという役割ではないので注意してみてください。
「Archer T3U Nano」はWi-Fi6へ対応していないため、そもそもWi-Fi6規格に対応しているPCでは効果を発揮しないのではないかと思います。
コストの兼ね合いもあると思いますが、インターフェイスがUSB3.0だったらなお推せるポイントになったのが惜しいポイントかなと感じました。
それを差し引いても価格はかなり易しい設定になっていると思います。
まとめ:Archer T3U Nano レビュー
以上が「Archer T3U Nano」のレビューになります。
率直に思った内容でまとめているので、Wi-Fi子機を検討されている方の参考になれば幸いです。
個人的にはMacにも対応しているとよりうれしいポイントになったのかなと思いますが、Wi-Fiの接続が悪かったり、そもそもWi-Fiが備わっていないPCを使っている方であればかなり満足度の高い製品だと思います。
設定面に難しい点がなくアプリでの設定や登録などもないので、Wi-Fi子機のようなものを初めて使う方にもおすすめできる製品です。